年金という老害(マスコミの報道)

 早朝のテレビ番組での事です、経済自由人とか称して、コメンテーターとして発言している方がいたのです(すみません、名前を忘れてしまいました)。何度かその方の話を聞いていましたし、私も同感する話題が多くあり、興味を持って聞き、目覚めのひと時を楽しんでおりました。ある日、驚きの発言があったのです。

 「もう、年金は廃止した方が良い」と言いだしのです。現代社会には最早適合しないシステムで、それぞれ個人の責任において老後も解決すべきだ、と言うのです。特に現実の経済を圧迫している最も大きな力が年金である事は間違いありません、私も10年以上前から言い続けている事柄であったのです。ですが、驚きを持って聞き入ったのです。

早朝ですし、当然ビデオ取りの放送と思っていましたので、テレビ局全体に意見と思ったのですが、その時を最後にそのコメンテーターの方はテレビの画面から消えてしまいました。きっと生番組だったのでしょう、その方個人の見解であり、テレビ局の総意とは異なり、意に反した為に画面から消えて行ったに違いありません。

失礼を承知の上で申し上げれば、70歳前後の方々が最も働き盛りであった昭和50年代は経済が右肩上がりの日本経済が最も順調な時期でした、ろくに仕事をしなくとも会社経営が出来ましたし、サラリーマンの方も半分遊んでいられた時代なのです。それでも働いたと思い、日本を豊かにしたという自尊心だけは人一倍あるのです。

太平洋戦争に負けた食料難の時代に少年時代を送り、若い時は大変な苦労をなさった事は認めます。ですが4050代の、人生としては最も大変な時代には、日本経済の頂点の時期に過ごし、仕事としては最も楽な時代に生きているという事です。バブルと言われた経済です、そして心もバブルになったのでしょう、未だに心はそのままのようです。

今の日本で最も大きな顔をして生きているのがこの世代です、最も我が侭と言って良いのではないですか?社会性を無視して自分の価値観を押し付け、その上社会に貢献している事は少なく(無いと言っても良いかも知れません)老害と言っても過言では無いでしょう。少なくとも昔は隠居と言い、社会に迷惑をかけまいとひっそりと生きたものです。

今の日本に一番欠けているものは「若者が希望を持てる社会」という部分でしょう。若者のエネルギーの根源は「希望」という事に他ならないと思います、自分の将来に夢を抱き、青写真を描きながら前進するのが若者というものでしょう。ですが現実は、今はそこそこ満足だが「将来が不安だ」と言う若者の声を耳にします。

私が大学に入ったのは東京オリンピックの年です、日本全体が希望に満ちていた時代かも知れません。そういった意味では最も良き時代に青春を迎え、経済発展の右肩上がりに30代を過ごし、45才頃にバブルという経済を経験しました。そして今、右肩下がりの不況です、経済の上でのフルコースを味わったような気もします。

若者を批判する前に若者を育てようとする心を持つべきでしょう。福祉を守るための借金(国債)ではなく、若者を育てるための投資で成らなくて成らない筈です。その前に年寄りこそ、国に頼らずに生きなくては成らないのかも知れません。     1562


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