日本人20万円、中国人1万円
日本人を一人雇うと月20万円かかると言う事です。働く側から見ればそんなにもらって無いと言う事になるかも知れませんが、本人に手渡すお金の外に年金や保険料など、その他も必要な物が多いのです、結果20万円という金額になってしまうと言う事でしょう。税金という形では無くかかる必要経費が大変に多いのも日本の仕組みではないでしょうか?
それに引き換え中国人は1万円ですむというのです。もちろん中国国内で働いてもらう時の給料でしょう、ですがその差は開きすぎています。これはある深夜番組の真面目な討論会での出演者の発言なのです。これほどの賃金格差があるのにどうやって不況対策を行なえというのか、不況対策と言う事にそもそも無理がある、と彼は言うのです。
日本人の給料が下がって、中国人の給料が上がって、10万円ぐらいで落ち着くのでしょうか?とも言っていました。それはともかく、不況対策などというものは無い、という言葉をマスコミの中で耳にしたのは初めてでした。あまりにも核心に触れる事なので、電波に乗せる事にためらいがあるのです。生放送という事であったからかも知れません。
もう3年前になるでしょうか?中国の奥地まで旅をする経験をして来ました。都市は上海、地方都市は混明、その二つしか見ていませんしほんの数日しか滞在していませんので、中国の経済というものを述べる能力はありません。が、チベットの入り口と言われたミャンマーの国境まで後数百キロという所まで行って来ました。
300メーターの高地で暮らす人にも触れ、家の周りに豚を放し飼いにして、動物の糞やら人間の糞が足の踏み場も無いほどに散乱している中での生活も目にしてきました。小さな観光地でトイレに入ったところ、直径2メートルほどの桶が一つ置いてあるのです、それに向かって丸く輪なってオシッコをする訳です。おい元気だな、という感じですね。
それも一つの習慣ですから、それはそれで良いと思いますが、そこの町が豊かだと言って、ミャンマーの国境沿いから働きに来ている人がいると言うのです。経済というものの恐ろしさを身にしみて感じた訳です。この町に働きに来ている人の時間給を聞きたかったのですが、さすがに聞きそびれました、でも聞かずとも良いでしょう。
中国には10数億の人口があり(おそらく20億に近いのでは?)国の広さも莫大で、ヨーロッパ全土と比べても、人口も多いし土地も広いでしょう。その上、一人っ子政策の影響で戸籍にのっていない若者が数千万いるとも、あるいはそれ以上とも言われています。中国国籍の無い東洋人と言う事になるのでしょう。ほぼ日本人ぐらいいると言う訳です。
平和とは人の交流が激しくなると言う事です、物の流通はもっと激しくなります。国境の存在する意味が限りなく少なくなると言う事です。最も早く影響を受けるのは労働コストであろうと思います、中国の賃金がどれだけ上がるでしょうか?2万円までなるでしょうか?10万円なんてとんでもない数字だと思います。
きっとそれは中国にかぎらず、世界に共通した経済基盤ではないかと思います。21世紀は当分の間、アメリカを中心としての軍事力が警察的な活動をして、平和という形を取るでしょう。人の交流が激しくなる一方の社会です、日本人も中国人も同じになるのです。