ライオン丸は高級のホストかも?

 新宿のあるお店で食事をしていた時の事です、長髪の若い二人の男性を連れた一人の若い女性がレジで会計をしているのです。そこは繁華街で有名な歌舞伎町の一角にあるコマ劇場の側のしゃぶしゃぶ屋さんなのです、テニスをする私は年に似合わず食が太いのです、その為、この店の食べ放題(かなり安い)を頻繁に利用するのです。

 この側に、よく利用するサウナがあり、マッサージを受けながら、世間話をしてこの界隈の情報を得るのも又仕事の一つでもある訳です(まあ、仕事の託けていると言った方が正確かも知れません)。そんな訳で結構頻繁に足を運ぶ界隈でもあるのです、まあ平均して一月に二度ぐらいの割合で来ているかも知れません。

 おしゃべりな私はこの店の店長とも仲良くなり、訪ねた事があるのです。新宿ですから大学の運動部の学生が食事に来るでしょう、彼等に食べ放題を食べられたら赤字になりませんかと?と。確かに赤字だとの事です、ただビールも飲んでくれるのでかろうじてとんとんです、との事でした。そうだろうなあと思うのは私も経営者からかも知れません。

 私も学生ほどには食べられなくとも、ビールは中ジョッキ一杯ですから、まあ赤字にはさせない程度の仲間である事は間違いないと思います。その上、この牛肉騒ぎですから、店の経営は大変でしょう、と尋ねたところ、場所柄男女のペアのお客さんが多いので、との答えでした。食べ放題でも女性がそれ程食べないと言う事でしょう。

 朝は必ず自宅で取ります。お味噌汁とお新香を必ず必要とするのは東北生まれで、農業を主体とする鉄道も通っていない町の生まれであるからかも知れません。その上、餅が好物なのです、それを納豆で食べるという東北特有の習慣が私の定番となって来たようです。朝は餅、納豆、味噌汁、お新香、が何時の間にか食卓にそろうようになっています。

 昼は百パーセント外食です、これも自宅の側の定食屋さんと相場が決まっています。問題は夕食です。アルコールは全くダメな男のくせに、なぜか夕食前にビールを一本飲む事を覚えたのです。これが日増しに美味くなるようで、年と共にその量が多くなるのではないかとの不安が増すこの頃です。これもテニスの後に飲むビールの美味さが引き金かも。

 その上、アルコールへの抵抗力のなさは天下一品で、すぐに眠ってしまうと言うだらしなさです、おかげで出来るだけ自宅で夕食をしたいというのが本音です。しかし奥さんの休日も必要であろうと週休二日とし、二度は外食をする事に取り決めた訳です。そんな日の一日がしゃぶしゃぶ屋さんに当てられる事が多いわけです。

 わずかばかりのビールでほろ酔い加減になりながら垣間見た光景なのです。界隈のホストクラブの男性と思われる二人が、若い女性を連れて店に出勤するのであろうと思えたのです、そう言えば私も正反対の事(ホステスとの同伴出勤)をした経験がある、などと思い出し、女性も頑張って化粧をし、ミニに決めてはいてもいまいちだなあ、などと思いながら。

 支払いを任せて、口だけ出している長髪が、ああしろこうしろとは言う物の、最終決定はなるべく行なわず、責任は他人に押し付ける長髪にダブって見えたのです。なぜかその日は悪酔いしたのかも知れません、わずかなビールの量なのですが?


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