ポルノ監督の一言
これも深夜番組からの知識です。ポルノといわれる下ネタ関係の映像を仕事にしている人の話なのです、彼は会社を興し株式を上場させた唯一の人の様なのです。彼が言うには、下ネタで社会に後ろ暗い生き方をしているからこそ、堂々と税金を納めながらも拡大し、上場するのが夢であったと言い、それを実現させたと言うのです。
彼(名前は忘れました)は経営すると同時に、監督も務めたわけです。たぶんこれは相反する行為であろうと思います。監督とはたぶんに職人的(あるいは職人そのものかも知れません)あり、その内容の追求のあまり金銭的には無頓着におちいり易いものでしょう。私も歯医者の現役の頃は治療内容と費用の問題で悩んだものです。
これを二人で分業という形を取れば、大いに議論を戦わしそれぞれの専門分野として相反する行為でありながらも、尊重しながら切磋琢磨しあい成長すると言う事も可能な訳です。所がこれを一人でやるとなるとどうしてもどちらかに偏りがちなのです、経営の得意な者は内容が伴わず、又監督はお金をつぎ込みすぎると言う結果におちいりやすい訳です。
私が想像するに、元来監督として職人的に生きてこられた方のような気がします。作品がたまたまあたり、大変な収入になった事もある様ですが、その多くは失敗して大変な負債を抱えた事があると言っていました。その失敗を通しながら経営というものを少しずつ学んでいかれたのではないかと思うのです。何となく実践から来る重みを感じます。
作品についても色々と話をしていましたが、技術的な事は分かるはずも無く、ここに話する能力もありません。下ネタの話と映像に大いなる興味を湧かされたと言う所が本音であります、まあチャンネルを回したのもその辺が正直というものでしょう。そんな話の中で思いもかけない話題に触れた事の驚きがあったのかも知れません。
経営の話になった時、彼が言うには「常に最悪の場合を考えた」と、一番いきず待った時の時の事を想定し行動したと、言うのです。上手く行く、上手く行く、と言う者ほど失敗しているとも。きっと彼も最初の頃はそう言って行動していたのではないかと思うのです。失敗を重ねながら学んで行った事柄では無いかと思うのです。
私も歯医者として現役の頃職人でした。その上失敗は許されない訳です、ですが常に失敗を覚悟の上の行動でもある訳です、最悪を覚悟の上の行動でもあった訳です。人間ですからミスをしないという事は考えられません、ですからこそ細心の注意が必要なわけですが、心のどこかでその覚悟は常に持っていた様です。基本的には不器用でしたから。
その職業から離れた現在でも、その意識は何処かに持っているのでしょう。事業をやりながらも「常に最悪」を想定した準備をする癖がついていた様なのです、これはあくまで結果論なのですが。ポルノ監督の話を聞いて、はっと思ったのです、無意識のうちに私もそんな行動をとっていたような気がすると。あくまで偶然な事なのですが。
経済というものを意識して行動したわけでもないのです。ただ私は運が良かったのだと思います、これも全て巡り合わせのような気がするのです。ただポルノ監督と同じように職人という立場から出発した事が幸いしたのかも知れません。